取引業者とのやりとり

2階建てボロ戸建て屋根を足場なしでDIYセルフ塗装できないか検討し命綱用アンカーの見積り依頼

アンカー配置検討

ボロ戸建ての屋根塗装の重要性は、前回記事にて解説しました。

塗装業者に依頼すると高額化しがちな屋根塗装。

わたくし一休が秋田県内に購入した築37年のボロ戸建て。

DIYセルフ屋根塗装できないか検討した結果、命綱を結びつけるアンカーが必須であると判断。

雪下ろし用のアンカーを屋根に設置できないか、取引のある大工に相談することにしました。

参考:新潟県ホームページ(雪下し用命綱固定アンカー)

【関連記事】
本記事で紹介する命綱用アンカーを設置&足場なしで2階屋根をDIY塗装を実施しました

DIYでの屋根塗装は墜落など様々な危険を伴います。本記事はセルフ屋根塗装を推奨するものではありません。

ご自身では難しいと感じた場合、プロフェッショナルの塗装業者に依頼しましょう。

屋根塗装など、無料のリフォーム見積り比較サービスもあるので活用しましょう。

屋根のセルフ塗装は命綱を必ず用意

屋根をDIYセルフで塗装する場合、安全のため命綱を必ず装着します。

塗装業者に依頼すると数十万円請求される屋根塗装。

数十万円を節約するためにセルフ塗装で誤って転落死しては割に合いません。

リスクとリターンを慎重に検討し、安全を最優先した上で安価に屋根塗装できる方法を探っていくべきです。

作業で使用する命綱用のロープは、クライミングや高所作業で使用するものがおすすめ。

ロープの太さに応じて破断強度が異なるため、事前に確認しておく必要があります。

登山用品店などで、高所作業用のハーネスやロープを購入することが可能ですので、ロープ選びも相談するとよいでしょう。

一休が相談した店舗の方は、8ミリのクライミング用ロープでも墜落により垂直方向に荷重がかかると強度に不安があると言っておりました。

命綱用のロープは、基本的に太いものほど強度が高くなります。

安全対策を万全に行うため、10ミリのロープを30m購入しました。

ちなみに、工事現場などで使用される黄色と黒のロープ(通称トラロープ)は、人を支えるための作りになっていません。

あくまで人の侵入を防ぐことを目的としたロープなので、用途に合った使い方をするのが大切です。

塗装業者は足場を組んで塗装

塗装業者に屋根塗装を依頼すると、足場を組んで安全を確保

その足場に命綱(安全帯)を設置して作業するのです。

この足場だけで20万円から40万円することもあります。

(一休が秋田県内のリフォーム業者にヒヤリングした概算値)

2m以上の高さで高所作業する業者は法令に則って安全対策を実施。

素人がDIYセルフ塗装をする際は、プロフェッショナル以上に慎重かつ緻密に安全対策を施す必要があります。

命綱はアンカー(支点)の設定が重要

命綱を使用する場合、ロープを取り付ける支点(アンカー)が必要になります。

屋根形状に合わせて支点を設定し、命綱が適切に機能するように計画を立てます。

屋根形状は、切妻屋根や片流れ、寄棟屋根など家屋によって様々。

切妻屋根切妻屋根


(写真奥のサビ色のトタン屋根、両方向に向かって切れ落ちている形状が切妻屋根の例)

例えば切妻屋根の場合、塗装作業する屋根面の反対側にある樹木などに、ロープスリングを結びつけ固定します。

固定する際は、スリングやカラビナなど、様々な物資を必要に応じて使い分けます。

これらの商品は、クライミング用品として登山用品店で販売。

ロッククライミングで使用するギアを使うことができる場合もありますし、塗装業者やツリーケア、風車の保守点検業者などのプロフェッショナル向けの高所作業安全用品も取り扱っています。

命綱をアンカーに結びつけるロープも、墜落の負荷がかかっても切断されない強度を持つ太さを選ぶ必要があるのです。

近場に登山用品店があれば、「屋根塗装したいので、墜落防止用の装置(スリングやカラビナ等)を使いたいです」と相談してみるとよいでしょう。

屋根や建物の形状に応じてアンカー配置を検討

アンカーの設定方法では、屋根や建物の形状に応じて慎重な検討が必要です。

一休が購入したボロ物件は、寄棟屋根(よせむねやね)と呼ばれる形状です。

寄棟屋根寄棟屋根

屋根が2面である切妻屋根と違い、4つの面がある寄棟屋根。

寄棟屋根の場合、作業面の反対にアンカーを設定しても、隣の屋根面に沿うようにしてロープが移動し屋根からロープが外れて転落するリスクが高まります。

屋根の形状や、家屋の周辺にある樹木や柵などアンカーになりうる堅固な構造物の有無を考慮して安全対策を検討。

アンカー配置検討アンカー配置検討

地上にアンカー配置→危険性高いためボツ

まずは、地上にアンカーを配置、そこから30m程度のロープを使用し命綱を使う案を検討しましたが、十分に安全を確保できないため断念。

(前述のとおり、寄棟屋根は4つの屋根面で構成。

作業面の反対側にアンカー配置しても、隣の屋根面に沿ってロープが移動し最終的に墜落するリスクが高いため。)

2階屋根の棟に雪下し用アンカー設置を検討

地上にアンカー配置しても、十分な安全性を確保できないと判断したので他の方法を検討。

2階屋根の上に、雪下ろし用のアンカーを設置するのがベストと判断しました。

雪下ろし用のアンカーを設置すれば、夏場のDIY屋根塗装の際に、屋根の頂点に設置されたアンカーに命綱を固定できます。

屋根の頂点である棟(むね)にアンカーを設置することにより、寄棟屋根の場合、塗装する屋根面をかえる度に、地上に降りてアンカーを変更する手間を省くことが可能。

豪雪地帯の雪国では、毎年雪下ろし作業中に屋根から転落してなくなる方が後を絶ちません。

新潟県など先進的な雪国では、行政が雪下ろし用アンカーの設置に補助金を出すなどして設置を促しています。

一休がボロ戸建て投資活動する秋田県では、そのような補助制度は存在しないが現状。

県のホームページにてアンカー施工可能業者リストを掲示するのにとどまっています。

雪下ろし用アンカーの見積りを大工に依頼

雪下し用アンカー設置補助金を役所に期待しても仕方ありません。

外壁の補修工事を依頼した大工に、屋根に雪下ろし用アンカー設置の見積りを依頼することにしました。

さっそく棟梁に電話して、前述の新潟県ホームページをプリントアウトして工務店に持参。

屋根塗装の際、命綱を固定するためにアンカー設置をしたいと伝えました。

すると、棟梁は前例がないので考えさせてくれとの返答。

一休のボロ戸建ては、秋田県内でも積雪量が多い地域に所在。

工務店は物件から車で10分の距離にありますが、雪下し用のアンカーの設置事例はないそうです。

新潟県のホームページには、費用10万円で設置できた事例が掲載されていますが、もしかしたらさらに高額化する可能性を示唆されました。

アンカーの形状について工務店と協議

見積り依頼をして数日後、工務店と電話で相談。

寄棟屋根の棟部分にアンカーを溶接する作業が必要で、板金屋に相談したところ30万円ほどかかるかもしれない、との返答。

完全に予算超過の返答ですが、焦らずに詳細をヒアリング。

オーバースペックな点はないか確認します。

まず新潟県のホームページ写真だと、アンカーの高さが1.5mほどで、長さが棟の端から端まで5mあるような例が掲載。

工務店の棟梁はそのようなイメージで、一休のボロ物件屋根の棟両端までアンカーを設置する考えでした。

寄棟屋根寄棟屋根

屋根頂点の棟部分、右端は樹木に隠れていますが、4〜5mほどの長さがあります。

実際にDIYでセルフ屋根塗装する際は、アンカーに固定したロープを繰り伸ばしながら塗装を実施します。

そのため、棟全体をカバーするアンカーは明らかにオーバースペック。

さらにアンカーの高さについても、新潟県のホームページに載っているような、1.5mの高さは不要。

雪下し用アンカーを例に棟梁に対して説明しましたが、実際に冬場に雪下しで使う予定は現状ありません。

雪に埋没しても問題ないため、高さは15cmくらいで問題ないと伝えました。

最終的には、ホームセンターで売っているような単管パイプを使用して、長さ90cmで高さ15cm程度のアンカーデザインに落ち着きました。

雪下し用アンカーイメージ図雪下し用アンカーイメージ図

大工の棟梁に提供した資料が、完全に雪下しを想定したアンカー写真だったため、オーバースペックなものを棟梁に想像させた失敗。

その失敗を乗り越えることができたので、無事に費用を抑えた見積りをもらえたのです。

当初の30万円から大幅コストダウン、54,500円でアンカー設置の見積りをもらうことができました。

工務店に発注、取り付けを無事完了。

命綱用アンカーDIYセルフ塗装まえ命綱用アンカーDIYセルフ塗装まえ

受け取った請求書の金額はなんと33,000円(税込)でした。

材料費と大工職人の手間を考えると利益が出ているのか心配になりましたが、ありがたく請求額で支払いを済ませました。

【追記】
本記事で検討した命綱用アンカーを設置し、足場なしで2階建てボロ戸建て屋根塗装をDIYで実施しました。

想定通りの性能を発揮し、命綱用のアンカーは屋根頂部に設置できれば安全性を高められると実感しました。

DIYでの屋根塗装は墜落など様々な危険を伴います。本記事はセルフ屋根塗装を推奨するものではありません。

ご自身では難しいと感じた場合、プロフェッショナルの塗装業者に依頼しましょう。

屋根塗装など、無料のリフォーム見積り比較サービスもあるので活用しましょう。