取引業者とのやりとり

【DIYできない設備を大工に外注】屋根塗装用に雪下し用命綱アンカーを取引先工務店に依頼した

雪下し用アンカーイメージ図

わたくし一休が秋田県で購入した築37年のボロ戸建て。

屋根にサビが浮き始め塗装が必要な状態。

外壁工事で取引のある大工に相談して、セルフ屋根塗装に必要な命綱アンカーを2階屋根に設置してもらうことにしました。

この記事を読むと、ボロ戸建てのセルフ屋根塗装に必要な最低限の安全対策と費用の参考値がわかります。

DIYでの屋根塗装は墜落など様々な危険を伴います。本記事は、セルフ屋根塗装を推奨するものではありません

ご自身では難しいと感じた場合、プロフェッショナルの塗装屋に依頼しましょう。

屋根塗装など、無料のリフォーム見積り比較サービスもあるので活用しましょう。

サビが浮き始めたボロ戸建て屋根

一休が購入した2階建てのボロ戸建て。

1階と2階ともに屋根のサビが浮き始めており、特に2階の南側屋根の劣化が目立ちます。

1日のうちで太陽が最も高くなる現象を南中(なんちゅう)といい、南側の屋根面は強い紫外線にさらされるためです。

紫外線に加えて、豪雪地帯の屋根塗料は落雪の際の摩擦によっても劣化

屋根のサビを放置しておくと、いずれサビで腐食したトタン屋根から雨水が入り雨漏りの原因となるため、数年おきに定期的な塗装が必要になるのです。

そのまま放置して賃貸に出す大家もいるでしょうが、初期に手をかけてなるべくメンテナンスを少なくしたい一休。

サビの上からでも塗れるというアサヒペンの塗料を、低コストかつ安全に塗りたいと考えていました。

屋根塗装業者は1回塗りで20万円

豪雪地帯にあり雪の重みで破損した外壁工事を依頼した工務店に、屋根塗装1回塗りの見積りをとりました。

結果は1回塗りで20万円。

本来屋根塗装はトタンの下地処理をした上で、下塗りと上塗りを行うのが一般的な業者施工。

それらの一部を省いて、単に1回塗るだけで20万円の見積りです。

3工程あるうちの1工程だけで20万円ですので、下手すると正式に依頼すれば20万円×3工程(下地処理、下塗り、上塗り)=60万円かかりかねません。

ボロ戸建てのためにそこまで費用はかけられませんので、DIYセルフ塗装の検討に入りました。

DIY屋根セルフ塗装の安全対策

DIYセルフ屋根塗装のためには、一休のボロ戸建ての場合は雪下し用のアンカー設置が最適と判断。

以下でその検討過程を説明します。

まず自力で屋根塗装するため、落下防止を目的に命綱ロープを張るアンカーの配置を検討しました。

アンカーは命綱を張る支点となる堅固な物体のこと。

作業者が落下して負荷がかかっても地面から抜け落ちない堅固なものにロープを固定する必要があります。

一休のボロ戸建ての2階屋根は寄棟(よせむね)という形状をしています。

寄棟屋根寄棟屋根

屋根の一番高い長辺(=棟)に向かって、4つある屋根面が設置されている屋根のこと。

ロープやクライミング機器を販売する登山用品店のスタッフに相談しつつ、どのようにアンカーを配置するか検討しました。

アンカー配置検討アンカー配置検討

アンカーをどのように配置すれば、転落によるテンションがかかっても衝撃に耐えられるかを考えています。

切妻屋根という形状をした1階屋根については、屋根の反対側にアンカーを配置することで問題解決できます。

切妻屋根切妻屋根

屋根面が2方向に向かって下がる切妻屋根の場合、作業面の反対側にアンカーを取れば転落を防げます。

しかし、寄棟屋根の2階部分については適切にアンカーを取るのが困難と判明。

地面に支点を取った場合、転落する際に屋根の傾斜に沿ってロープが移動することにより、作業者(=一休)の転落リスクが高まる可能性があります。

寄棟屋根寄棟屋根

屋根面が4つある寄棟屋根の場合、隣接する屋根面に沿ってロープがずり落ちる可能性があります。

様々な観点からボロ戸建てセルフ2階屋根塗装の安全対策を検討した結果、寄棟の棟部分に雪下し用のアンカーを設置することにしました。

雪下しアンカーの前例がない工務店と相談

雪下し用アンカーの設置については、外壁工事を外注したK工務店に相談

豪雪地帯にある一休のボロ戸建てですが、K工務店は雪下し用アンカーの施工事例なし。

前代未聞のプロジェクトとなったため、工務店がイメージしやすいように工夫しました。

秋田県に匹敵する豪雪地帯である新潟県においては、行政の旗振りのもと雪下し用アンカーの設置が進んでいます。

雪下し用アンカーの設置に補助金を出している新潟県のホームページをプリントアウトして、大工の棟梁に説明。

プリントアウトした写真を見せながら、セルフ屋根塗装するために必要な設備としてアンカー設置したいこと。

一休が転落してロープから負荷がかかっても外れないアンカーにしてほしいことを伝えました。

最初の見積り30万円→54,500円

前例のない中でK工務店から最初に出てきた見積りは30万円。

完全に予算オーバーですが、よくよく話を聞くと過剰な設備を見積もっていることが判明しました。

寄棟屋根の棟部分は3間(けん、1間=約1.82m、畳1枚の長辺と同じ)あります。

その3間=約5.46mに渡り、高さ40cmほどのメーカー品の雪下し用アンカーを設置する見積りをしていたのです。

メーカーからアンカーを取り寄せれば、高額になる上に時間がかかります。

1日でも早くボロ戸建ての屋根塗装して賃貸に出したい一休、ここでコスト削減のために提案します。

「いやいや棟梁、そこまで立派じゃなくていいですよ。1間くらいの長さで、高さは15cmもあれば十分です。」

この一言で、棟梁の考えも変わった様子。

「その程度であれば、ホームセンターで売っている単管パイプ(作業用の足場として使われている金属パイプ)を使ってできるかもしれないですね。」

雪下し用アンカーイメージ図雪下し用アンカーイメージ図

結果的に単管パイプを用いて屋根と土台を溶接。

屋根を支える柱上の木材である垂木(たるき)にビスで固定するという工法で、54,450円(税込)で見積りを出してくれました。

雪下し用アンカー見積り書雪下し用アンカー見積り書

この見積り金額で工事をK工務店に発注することに決定したのです。

塗装業者委託の半分以下の経費と目算

雪下し用アンカーを設置することにより、塗装業者の1回塗りの見積り20万円の半額以下の金額で塗装できると計算。

必要なものとして以下を見積ります。

合計約79,500円となります。

落下防止用器具の取扱いについては命の安全に直結しますので、販売店で必ず詳しく説明を受けるようにして、安全確認のために複数人数での作業を行いましょう。

本記事は屋根のセルフ塗装を薦めるものではありません。

DIYセルフ屋根塗装する場合は、安全に配慮して自己責任で作業してください。

高所作業は専門性が高いため、安全に作業できないと判断した場合には迷わずプロの業者に外注しましょう。

【追記】
本記事のアンカーを利用し、実際に屋根塗装をDIYで実施し有効に活用できることが分かりました。

DIYでの屋根塗装は墜落など様々な危険を伴います。本記事は、セルフ屋根塗装を推奨するものではありません

ご自身では難しいと感じた場合、プロフェッショナルの塗装屋に依頼しましょう。

屋根塗装など、無料のリフォーム見積り比較サービスもあるので活用しましょう。