取引業者とのやりとり

【ボロ戸建て投資のために役立つ本】中せ健・都市型不動産投資戦略

ボロ戸建て投資に役立つ本を定期的にご紹介しています。

今回は、ズバリボロ戸建てではないものの、

不動産投資ジャンルとして一読をおすすめする書籍。

不動産投資家・中せ健氏の、「都市型不動産投資戦略

タイトルにある「年収1000万以上」で、読者がフィルタリングされていますが、

自分は対象外だと思わずに読んでみると様々な知見が得られるのでおすすめ。

高利回りと低い資産性は表裏一体

著者の中せ氏は、24歳で独立し不動産会社を経営する1973年生まれ。

大阪市内を中心に1棟ものを複数購入。現在は35棟600室の投資規模の不動産投資家。

借金ゼロを目指し、都市部に資産性の高い物件を購入することを目指すのが、本書の趣旨です。

著者の主張を補強するものとして、地方ボロ物件投資についての考察がされており興味深い。

p27では、高利回り主義の呪縛として、下記のように書かれています。

関東でも関西でも、隣県の片田舎にある木造アパートに投資をする人たちの考え方がよく似ています。
時代が良ければ、利回り15〜20%ほど、悪くても12%以上は出ているため、基準が高利回りだけに縛られてしまい、「10%以下はありえない!」と思い込んでいます。
引用:中せ健、都市型不動産投資戦略、プラチナ出版、2021年

地方にある築古アパートやボロ戸建てなどの高利回り物件は、金融機関から見ると評価額は低め。

銀行評価が低くなるために、アパートに融資が付きにくく傾向があります。

また、キャッシュフローを重視して、自己資金の持ち出しを頑なに拒んだ知人が紹介されています。

ボロ戸建て投資もまた、築古物件に対する不動産投資の一種。

金融機関からの融資を前提としないボロ戸建て投資家も多いですが、

高い利回りは資産性の低さの裏返しであることを理解し、

売却して資産性の高い物件への買い替えも視野に入れてもよいでしょう。

(※ボロ戸建て投資の出口戦略についてはこちらの記事で詳しく書いています)

特定の投資手法にこだわるな

p32では、例えば高利回り主義の人が、利回りの高さにこだわるあまり、視野が狭くなりがちである点を指摘しています。

不動産投資に絶対的な正解はありません。
区分マンション・戸建て・アパート・一棟・店舗ビル・ビルなど、それぞれに長所と短所があり、どんな投資手法でも成功している人はいます。
引用:前掲書

投資手法は人それぞれ。

自分自身がチャレンジしてみたいと思うやり方も様々でしょう。

例えばボロ戸建ての購入とDIYセルフリフォームをやってみたいと思ったとしても、

それにばかりこだわり過ぎると、儲けのチャンスを見逃します。

わたくし一休も、秋田市内外でヒヤリングした不動産業者からの案件の紹介は、

ボロ戸建てに限らず柔軟にお話を聴くようにしています。

これまであったのは、秋田市内の築古アパート(オーナーチェンジで価格が折り合わずに撤退)、

由利本荘市内の駐車場(売主サイドで条件検討中)など、

多種多様な案件が耳に入ってきます。

一休としては、お金に色はないと思っているので、儲かりそうな投資案件があれば、

多少リスクがあってもチャレンジしてみてもよいな、と思うところ。

中せ健氏が指摘するように、視野を狭めずに様々な投資手法に対して、オープンな姿勢でいたいですね。

自分がどのような投資をすべきか考える

中せ健氏は自身の投資目標を、借り入れゼロとして掲げています。

東京都内や大阪の中心部に、資産性の高い物件を取得しながら、

借金を繰り上げ返済することで、返済比率を下げ無借金状態を目指す、とのこと。

そうすることにより、資産性の高い物件を共同担保に入れて、

さらに規模拡大するもよし、規模はそのままに安全に資産運用するもよし、という状況に。

このように、自身がどのような状態を目指して不動産投資をしているか、

何をすべきかをわかっていない人も多くいるそうです。

逆に言えば、特定の投資手法にこだわりがあり、自分にとっての答えがあるならばそれでもよい、とのこと。

特にこだわりもなく、儲かりそうな案件があれば積極的に取り組んでみたいと思う、

わたくし一休。

自分が何を目指しなにをすべきなのか、考えてみる必要もあるのかもな、と思いました。

不動産会社との関係性も重要

不動産会社は、ボロ戸建て賃貸などのビジネスをしていく上で、大切なパートナー。

中せ健氏も不動産会社との関係性の大切さを説いています。

不動産業者は、買主との条件交渉や書類の準備など、様々な手間をかける仕事。

そんな中、最終的に買主さんからの「やっぱり無理でした」と、簡単に電話一本で買付解除されると、すべてが無駄になります。
引用:前掲書

このように、買いたいけど、やっぱ買わないと繰り返していると、

そのうち宅建業者から相手にされなくなるでしょう。

不動産業者もビジネスとして、貴重な時間を割いて営業活動しているのですから、

費やした労力と時間が報われるだけの、「買える客」であると認識してもらえるようになりましょう。

この点は、以前に紹介した、松田淳氏の書籍でも重要性が説かれていました。

「この人は買える客だ」と仲介業者から思ってもらえれば、

ネットに掲載される前の物件情報をもらえる可能性も出てくるでしょう。

単身高齢者の優遇とペット多頭飼可

中せ健氏の客付けノウハウも紹介されています。

その中で、一休が注目したのが、

単身高齢者の優遇とペット多頭飼可にすること。

両者に共通するのは、どちらも受け入れをしている物件が、とても少ない点にあります。

一休が活動している秋田市においても、ペット可能な物件はとても少ないのが現状。

さらに、多頭飼いを可にしている物件はごく限られています。

そして、少子高齢化で全国トップを走る秋田県では、単身高齢者はこれから増えてくるでしょう。

時代の変化に合わせて、自分が所有する物件が受け入れる範囲を柔軟に広げることにより、

世間のニーズをすくい上げて満室経営が可能になるのでしょう。

さまざまな学びが得られておすすめの一冊です。