ボロ戸建て投資を始めるにあたり、10冊20冊と本を読んでいると、
出口戦略という言葉をよく目にします。
1つのボロ戸建て投資案件を、どのように終わらせるかという計画にあたる出口戦略。
この記事では、築古戸建てを所有し続けるパターンと売却するパターンに分けて、
わたくし一休が活動する秋田県の場合を例にとって考えてみたいと思います。
Contents
不動産投資における出口戦略
もともと、出口戦略とは軍事用語。
経営や作戦が上手くいかない場合において、いかに傷口を広げずに撤退するか考えること。
不動産投資に関連する書籍を読みすすめると、
物件を所有し続ける派と、売却して利益を得る派の2つに大別できることがわかりました。
どちらがよいか、定まった正解はありませんが、
自分自身のボロ戸建てに関するスタンスを明確にすることで、将来判断に迷った際の指針にするとができるでしょう。
出口戦略1 築古戸建てを所有し続ける
ボロ戸建て投資の出口戦略の1つめは、築古戸建てを所有し続けることです。
一見すると「出口から出てないのでは?」とも思えるこの考え。
ボロ戸建てが使える間は入居者をつけ続け、可能な限り家賃をいただく、というもの。
この考えは、築古戸建てを現金で買い集め、DIYリフォームを実施して、
低コストで着実に規模を拡大するタイプの大家に多いように見受けられます。
家賃収入を生み出すボロ戸建てを増やし続けることで、安定した収入基盤の構築を目指すものですね。
この戦略の場合、後述する少子高齢化に伴う過疎化には留意が必要です。
出口戦略2 売却して利益を確定する
出口戦略の2つめは、築古物件を売却して利益を確定する、というもの。
ボロ戸建てを所有期間中は、入居付けして家賃をいただき続け、
購入費用を回収した後に売却することで利益を確定するというもの。
例えば、120万円で物件購入、月額家賃5万円(表面利回り50%)、で3年後に同額で売却でみてみましょう。
(利回りについて詳しいことはこちらをどうぞ)
家賃は2年間で120万円となるので、3年めの家賃収入60万円はそのまま利益に。
そして、購入費用は2年間の家賃で回収済みなので、売却で得た120万円は、そのまま利益となります。
(※実際は、建物の減価償却やリフォーム費用、所得税などがかかるので、かなり単純化した例です)
このタイプは、一休がヒヤリングを行った不動産業者の内、10人いれば1人が該当していました。
秋田市でボロ戸建て投資をしたいという一休に、
それなら出口戦略が大切ですね、といい、「出口戦略1」の所有し続けるというのは毛頭考えていない様子でした。
不動産投資は出口戦略ありき、という人は、所有し続けるという考えを見落としている、
もしくは無視しているのではないかと思うほど所有し続けることに興味がないようです。
売却を前提とする方には、資産性の高い不動産(たとえば、中心地のRC造物件)に買い替えて行く考えの人も多い様子。
お金がないボロ戸建て投資初期は、多少遠くても安く物件を仕入れ、根性でリフォームし物件を増やす。
一定期間(たとえば、長期譲渡所得が適用される5年後以降)に物件を売却して、
より近場の資産性が高い物件に組み替えていく、というのは、
築古のボロ戸建て投資の出口戦略の2つめのパターンといえます。
田舎秋田では人口の2極化で出口が決まる
一休が活動する秋田県は、少子高齢化で全国1位をゆくトップランナー。
加えて持ち家率が全国トップという地域性もあります。
秋田県全体でみると、人口は県庁所在地の秋田市が30万人規模で、
多くても10万人規模の他の市町村から頭1つ抜け出しています。
このような田舎地域の場合、過疎化が進む町や村の、山奥に築古戸建てを取得しても、
家賃収入をもらい続ける出口戦略1、売却をする出口戦略2のいずれも、期待薄。
とある宅建業者の親類が、秋田県北部の上小阿仁村(医療問題でネットで有名になってしまった時期もあった村)
に引っ越してきた際、空き家を借りた家賃が月額1万円だったそうです。
いくらなんでも、月額1万円だと、自主管理の手間とコストを考えても割に合いません。
田舎で築古戸建て投資する場合、人口が過疎化することが見込まれる地域にある物件の場合、
賃料をいただけている間に売却する、出口戦略2が有効と考えられます。
なお、秋田県全体でみると、由利本荘市なら合併前の本荘市に家を立てる若者が増えていたり、
北秋田市なら合併前の鷹巣町に若者が集っている、という現象が見受けられます。
マクロでみれば、秋田県全体では秋田市に、
ミクロで見れば、各市の中心街に人が集まっているという傾向があるのです。
この傾向をつかみ、過疎化する地域にボロ戸建てを持っているかどうかを検討しながら、
どのような出口戦略をとるのかを考えましょう。
戸建て需要がある地域でボロ戸建てを買うのが大切
ボロ戸建ての出口戦略は、戸建て需要がある地域に物件を持っているかどうかに左右されます。
すでに述べたとおり、現金をあまり持っていないボロ戸建て投資初期の段階では、
たとえば秋田市から離れた地域に物件を求める場合もあるでしょう。
その場合には、その地域において、将来も人が住む需要がある場所なのかどうかを検討すべき。
さきほどの例だと、由利本荘市の場合は旧本荘市なら、
人口は減少していきますが、いきなりゼロにはなりません。
持ち家率の高い秋田県では、賃貸に出る貸家は少ないため、将来的に賃貸需要が少なくなっても、
貸家自体が少ないため、家賃収入が見込める場合もあるからです。
ボロ戸建ての出口戦略は、入り口の部分からある程度決まってきますよ、というお話でした。