ボロ戸建てを取得できたら気になるのが税金のこと。
不動産所得を申告する上で有利な青色申告を始めるために必要な2つの書類。
開業届と青色申告承認申請書の提出時期は、「賃貸募集開始時」でオッケーです。
所得税の申告で様々なメリットを受けられる青色申告を始めるために、必要な書類の提出時期について解説していきます。
参考:青色申告制度(国税庁HP)
開業届と青色申告承認申請書を出す順番
青色申告の特典を受けるためには、開業届と青色申告承認申請書の2つを所轄税務署に提出する必要があります。
この2つは、開業届→青色申告承認申請書という順番で提出するのが原則。
開業届は、開業の日から1ヶ月以内、
青色申告承認申請書については、国税庁HPによると、
「(2)新規開業した場合(その年の1月16日以後に新規に業務を開始した場合)
業務を開始した日から2か月以内に「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出してください。」
国税庁ホームページより
とされています。
つまり、年の途中でボロ戸建て賃貸業を始める場合、始めた日から2ヶ月以内にこの2つの書類を出すことになるのです。
(開業届は1ヶ月以内)
明確な決まりはないが賃貸募集開始時に提出でよい
そして、個人所得税の不動産賃貸業については、「業務を開始した日」に明確な決まりはないことが、国税庁職員への聞取りで判明。
明確な決まりはないものの、一般的には物件を取得して宅建業者に賃貸募集を依頼した日、であれば間違いはないようです。
(国税局電話相談センター職員談)
物件をリフォームして、ある程度整えた状態でないと、宅建業者も客付けを受けてくれないことがあります(クレームを避けるため)。
宅建業者に客付けを依頼した日であれば、一般的に見て「不動産賃貸業を始めた日」として問題ないと税務署は考えるようです。
提出時期を秋田南税務署に聞いてみたがはっきりせず
秋田市でボロ戸建て物件を探しながら、
「いつ税務署に書類出せばいいんだよ」と考えていた、わたくし一休。
まずは秋田南税務署を訪問して聞いてみることに。
電話して訪問する旨を伝えましたが、予約なしの扱いとなり、30分ほど待ってから相談開始。
「不動産賃貸業を始めたいんですが、まだ1棟めを取得してません。開業届はいつ出せばいいですか?」
「逆にいつ開業したとお考えですか?」
質問に質問で返すなよ、と思いましたが、いま考えてみると私も質問の仕方が悪かったと反省してます。
結局この日は結論を得られずに撤退。
物件取得してから来いよ、的な雰囲気を醸し出していたおばちゃん税務署員にも、もう少し上手に質問すべきでした。
国税局電話相談センターに聞いて時期が判明
この記事タイトルに書いたとおり、物件の入居者募集を開始した日でよい、という結論を得られたのは、国税局電話相談センターに相談した結果。
(※所轄税務署に電話して音声案内に従えば、電話相談センターにつながります)
「不動産賃貸業を始めようとしていますが、開業日はいつと考えればよいですか?」
この質問に対し、秋田南税務署のおばちゃん同様、特段決まった回答を持ち合わせていなさそうな雰囲気のおじさん国税職員。
しかし、秋田南税務署のおばちゃんよりは格段に親切で、不動産賃貸業を個人で行う場合、様々なケースが存在することを説明してくれました。
その上で、一休のように、ボロ戸建て1棟めの取得がまだの場合、物件を取得して宅建業者に賃貸募集を開始依頼した日、と考えて間違いないと教えてくれました。
先程も述べましたが、宅建業者はあまりにボロい状態のままだと入居付けを受け付けてくれません。
クレームを回避するために、ある程度リフォームが必要になるのです。
この不動産業界の事情を考慮しても、世間一般的に見て「宅建業者に募集開始を依頼した日」で間違いないでしょう。
その日から、1ヶ月以内に開業日と青色申告承認申請書を同時に、所轄税務署に提出すれば問題ありません。
申請書提出前の支出も開業費として経費算入可能
余談になりますが、一休は開業届と青色申告承認申請書の提出前に支出したお金は経費算入できないと思っていました。
これが誤解であることが、国税局電話相談センターのおじさんと話している中で分かったのです。
開業日が属する年の、開業日までに支出したお金は「開業費」として経費算入可能。
これを知らなかったために、物件視察のために支払っているガソリン代を経費化するために、物件取得を急がねば!と焦っていました。
特に焦らなくても、よさそうなことがわかったので、焦らずに物件を検討してよい、とわかったのが収穫でした。
融資でボロ物件を買う際に開業届が必要
【2022.10.18追記】
本記事でご紹介した開業届は、ボロ物件を融資で買う際に写しが必要になります。
わたくし一休が、秋田県内にボロ戸建てを融資で購入した際、金融機関に開業届のコピーを提出しました。
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金融期間としては、開業届を提出して不動産賃貸業に真剣に取り組んでいる人に融資する、という考え方のようです。
一休は秋田信用金庫から融資を受けましたが、事前に融資相談をした地銀の北都銀行でも開業届が必要になると話をされました。
融資を使ってボロ戸建てを購入する予定の場合、いずれの開業届を提出することになると覚えておきましょう。
一休が実際に1棟めのボロ戸建てを購入する際は、融資の都合上、不動産売買契約を締結した翌日に所轄の秋田南税務署に開業届を提出しました。