秋田市でボロ戸建て物件を探していると、頻繁に目にするのが汲み取り(ぼっとん)式便所。
築古の物件をなるべく安く取得し、リフォーム費用をなるべくかけずに賃貸に出すというボロ戸建て投資において、たまに目にすることがある設備です。
この記事では、秋田市のボロ戸建て物件でよく目にする汲み取りトイレの難点について解説していきます。
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汲み取り(ぼっとん)便所は臭気が不快
汲み取りとは、大小の用を足す際に、便がトイレの下のタンク(便槽)に溜まっていくタイプの便所のこと。
下水道が未発達の時代によくあったタイプで、わたくし一休の実家も昔は汲み取りトイレでした。
足元にぽっかりと空いた深い穴に向かって用を足し、トイレットペーパーも同じ穴に投げ捨てる構造。
トイレのしたに設置された便槽に便が溜まっていき、用を足すトイレの穴に直結しているため、匂いがあがってきて不快になります。
臭突という換気設備でにおい対策されていますが、換気しきれなかった臭気がトイレ内部にこもりがち。
夏場は特に匂いやすく不快に感じがちです。
(関連記事:臭突の役割を解説)
また、雨水が便槽に流れこむこともあり、大雨の際には水位が上昇。
水面が上昇した便槽に落下した大便からしぶきが跳ね返る、いわゆる「おつり」という不快な現象も存在します。
汲み取りトイレは入居付けで不人気
ボロ戸建て投資において、汲み取りトイレ物件は入居希望者に避けられるケースが多いので注意が必要です。
家族向けの入居者をターゲットにすることもよくあるボロ戸建て。
男女を問わず不人気な汲み取り(ぼっとん)トイレですが、特に女性に不人気です。
一休の知人女性にボットン便所の物件に住んでもよいか聞いてみたところ、「汲み取りはイヤ」という返答が100%でした。
ボロ戸建てをリフォームして賃貸に出した際、入居者の立場で決定権を持つことが多い女性に不人気な設備なので、入居付けに苦労するでしょう。
和式トイレでは足腰もつらくて不快
昔ながらの和式トイレかつ汲み取り式なら、こみ上げる臭気に加えて足腰も大変です。
最近では、公衆トイレでも滅多に目にする機会ない和式トイレ。
地面に設置された便器にしゃがみ込みながら、便器を跨いで腰をおろします。
しゃがんだ体制のまま力んで用を足す必要があるため、便秘の際には長時間化して足腰が非常に辛くなります。
こみ上げる臭気、たまにある「おつり」に加えて、和式で足腰も辛いとくると、入居付けにおいて相当なデメリットとなるのです。
水洗化には工事費用がかかるデメリット
入居付けで非常に不人気で不利な汲み取り便所。
デメリットを解消するための工事には、決して安くない工事費用がかかってきます。
ボロ戸建ての敷地内に、下水用設備の有無によって、対応できる工事と必要な費用が変わってくるのです。
トイレの水洗化には、下水道への接続と、浄化槽の設置に大別されます。
関連記事:汲み取り式トイレリフォームの選択肢
下水道への接続
下水化は、便をそのまま下水管に流すようにすること。
汲み取り便所を下水に接続するためには、ボロ戸建ての敷地内に「枡(ます)」があるか確認が必要。
家のトイレから出された下水管を、枡につなぎ、そこから下水道に流すことになります。
枡がない場合、枡の設置に加え、ボロ戸建ての前面道路にある下水管への接続のために工事費用が必要です。
トイレ本体の水洗化工事に加え、下水道本管への接続するために地面を掘り返す必要があり、費用が高額化しがちです。
下水管がない場合は浄化槽
下水道への接続は、そもそも下水道がボロ戸建ての前まで来ている必要があります。
ボロ戸建てが所在する自治体によっては、下水が整備されていない地域も存在。
(関連記事:水道局で下水整備地域かどうかチェック可能)
そんな下水道未整備地域のボロ戸建てを水洗化したい場合、浄化槽を検討します。
浄化槽は、汚物を浄化するための設備に流し込む、という方式。
トイレの外に、浄化槽を埋め込んで、そこに汚物を流し込むのです。
浄化槽を設置するための工事費用と、埋めるためのスペースが必要になります。
関連記事:浄化槽は工事費用が高額化する場合あり
汲み取りのままだと定期的な便の処理が必要
数十万円から、時に百万円を超えることもある汲み取り便所の水洗化工事。
仮に48万円としてみれば、月額1万円家賃を上げたとして回収まで4年かかります。
物件の仕入れからリフォームまで、低コストで高利回りを狙いたい地方ボロ戸建て投資。
入居付けでの不人気を覚悟でぼっとんのままで行くとすると、定期的に便槽の処理が必要に。
【注意!】画像をクリックすると便槽のボカシ無しの写真が表示されます
(汲み取り後ですが、汚物が一部見えるほか、便槽に溜まった雨水もうっすら見えます)
いわゆるバキュームカーでの汲み取りですね。
ちなみに、秋田市では汲み取りの会社は地域ごとに秋田市が指定した業者を使います。
汲み取りの際に匂いが周囲に漂うなど、やはり何かと不快な設備であるのは避けられないですね。
関連記事:汲み取り式トイレリフォームの選択肢