ボロ戸建て投資基礎知識

【ボロ戸建てのトイレ】下水未整備地域なら浄化槽の導入もアリだが工事が高額な点に注意

ボロ戸建てのトイレをリフォームする際、

下水道が未整備な地域で水洗トイレにしたいなら、

浄化槽設置を検討することになります。

場合によっては100万円を超える工事費用を要する浄化槽。

利回りを圧迫するので工事費用を含めて慎重に検討が必要。

浄化槽がどのようなものか見ていきましょう。

微生物を使って汚物を浄化する装置

浄化槽とは、微生物を使ってトイレ等から流された汚物を分解するための装置。

トイレの外、ボロ戸建ての敷地内に浄化槽を埋設することにより、

下水道が整備されていない地域であっても水洗トイレ化することが可能になるのです。

ボロ戸建て所在地の下水道有無を確認

ボロ戸建てを購入する前に、

ボロ物件が所在する地域が下水道が整備されているかどうかを確認しましょう。

全国の下水道普及率は、2020年度末で約80%

下水道が整備されていない地域なら、

ボロ戸建てを水洗化したい場合、浄化槽にすることになります。

下水道が整備されているかどうかは、

ボロ物件所在地の市町村役場の上下水道課に電話すればわかります。

わたくし一休が活動する秋田市の場合、

誰でも自由に使える水道管輅検索システムが役所にあり、

自分で調べることも可能です。

(ちなみに、完全に水洗化しなくてもよいが、汲み取り式便所(ぼっとん)はイヤ、

という場合なら簡易水洗トイレという選択肢もあるので検討してみましょう。)

平成13年度以降は合併処理浄化槽が義務化

浄化槽は、数十年の歴史を持つトイレにまつわる設備。

浄化槽法などの制度や、浄化槽メーカーの技術進化により、

さまざまなタイプの浄化槽が混在していますのでご紹介。

平成13年度以降は、合併処理浄化槽の設置が義務付けられているのが現状です。

単独処理浄化槽

現在は、新たに設置できないタイプの浄化槽になります。

単独処理浄化槽は、トイレから排出される汚水のみを浄化槽に流し込んで浄化するタイプ。

浄化槽が作られた年代に応じて、さまざまタイプが存在します。

なお、どのタイプの浄化槽についても、

必要な点検やお手入れがあります。

下水道に接続された水洗便所のように、ほぼメンテナンスフリーな状態とは異なり、

こまめにメンテナンスが必要な設備である点に注意が必要です。

ボロ物件を購入する際、法律で定められた点検をしていなかったり、

必要な保守点検していないため、

浄化槽そのものが利用不能なこともあるので注意しましょう。

浄化槽の入れ替えとなると、高額な工事費用が必要となり、

せっかく安く仕入れたボロ物件の利回りを低下させることになりかねません。

合併処理浄化槽

平成13年4月1日以降、浄化槽法により、

合併処理浄化槽の設置が義務付けられております。

合併処理浄化槽は、トイレから出る汚水のみならず、

台所や洗面所、洗濯機とお風呂から出る生活排水(雑排水ともいいます)

をまとめて浄化槽に流し込んで浄化するタイプのこと。

現行制度化においては、浄化槽を設置していると、

保守点検など定期的に発生するメンテナンスコストがあることに注意しましょう。

浄化槽の工事費用は数十万〜100万以上

浄化槽の設置工事費用は、

数十万円から100万円を超える場合もあります。

浄化槽の設置のためには、

ボロ物件の敷地内、トイレの外側の地面に掘り起こし、

浄化槽を埋設するために、高額の工事費用が発生します。

敷地の形状や、地面の状態などにより工事の金額は変化しますが、

浄化槽を設置する場合には高額な費用を覚悟する必要があるのです。

最新の浄化槽でも臭突を取り付けできる

本記事作成にあたり、

いくつかの記事を読むと、浄化槽に臭突がつけられている、という記述が見られました。

臭突=汲み取り式便所(ぼっとん)に付けられている設備で、

水洗便所である浄化槽なら、匂いが家屋に逆流することはないので臭突は不要なのではないか?

そう考えた一休は、浄化槽メーカーである、

フジクリーン工業株式会社に電話して質問してみました。

結論は、最新(記事作成時点の2022.7月現在)の浄化槽には、

臭突は取り付けられるようになっている、との回答。

電話対応してくださった方の感覚値では、

浄化槽の場合、臭突は取り付けしない人の方が多いようです。

汲み取り式トイレの場合、

臭突は便槽から家屋内に臭気が逆流しないように、

屋外に臭気を排出するために使われます。

一方、浄化槽の場合、トイレの便座の中にトラップという水が溜まることにより、

臭気の逆流を防ぐようになっているのです。

そのため、浄化槽を設置している場合、基本的には匂いの逆流防止の観点からは

臭突の設置は不要と考えられます。

その他、浄化槽で臭突が必要になりそうな場合としては、

何らかの理由で浄化槽の点検用マンホールから臭気が漏れ出ている場合に、

それを軽減する(臭突から匂いを逃すことにより)という場合があるかと思います。

しかし、そもそもマンホールは密閉されており、

そこから匂いが漏れ出ているのは異常自体ですから、

その場合は点検・修理が必要と考えられます。

マニアックな臭突に関する考察が長くなって恐縮したが、

ボロ戸建てを購入して浄化槽の設置をする場合、

高額な工事費用と点検メンテナンスの手間とお金がかかる点は覚えておきましょう。