ボロ戸建て投資基礎知識

【ボロ屋のトイレ】下水道未接続の場合は汲み取り、簡易水洗、下水接続、浄化槽から選ぶ

築古のボロ戸建てを購入すると、下水道に接続されていない場合があります。

田舎にありがちな下水未接続物件。

下水が整備されている地域かどうかに応じて、

汲み取り便所のままでいく、簡易水洗にする、浄化槽設置、下水接続、

の4つから検討することになります。

予算と入居付けのしやすさをバランスにかけて検討していきましょう。

田舎でよくある下水未接続物件

田舎で築古の物件を探すと、よく目にするのが下水未接続物件。

下水が未接続であるということは、そもそもトイレがない、

もしくはくみ取り式便所(ぼっとんトイレ)であるということ。

わたくし一休が活動する秋田市においては、

これまで内見したボロ戸建ての、6割以上の高確率でくみ取り便所でした。

そもそも家の前面道路に下水が来ているのかどうかを踏まえて、

以下の4つからトイレをどうするか検討していくことになります。

(下水が整備されているかどうかは、物件所在地の市町村役場の水道課に問い合わせましょう。

秋田市の場合は、管路自由閲覧システムを使って検索することもできます)

客付けに難ありな汲み取り式

築古のボロ家にありがちなのがくみ取り式便所(ぼっとんトイレ)。

足元に開いた穴に向かって排泄するという、昔ながらのスタイル。

排泄された汚物は、地面の下に埋設された汚物槽に貯められます。

一定の量に溜まると、あふれる前に業者に依頼して汲み取りしてもらうことになります。

トイレと便槽が直でつながっているため、においがこみ上げて来て、

夏場は臭気や害虫で不快な思いをする場合もあります。

客付けには何があり、ぼっとん便所物件は不人気なのです。

一休が話を聞いた不動産屋は、ぼっとん物件には、

そもそも問い合わせがない、と言っていました。

低コストで洋式化できる簡易水洗

簡易水洗とは、汲み取り式と同じ便槽に、水を使って汚物を流しこむスタイル。

水を使って汚物を流すため、汚物が足元に垂直落下するぼっとんと比べて衛生的。

最新式の簡易水洗トイレは、水が便器ボウルに水が溜まり、

臭気にフタをするため、匂いが便槽から上がって来にくくなっております。

どこまでコストをかけるかによりますが、

比較的低コストで汲み取りトイレを水洗化できる方法と言えます。

デメリットとしては、水を流すため、ぼっとんトイレと比べて、

汲み取りの回数が増えることが挙げられます。

汲み取りの回数が増えるデメリットと、においが上がって来ずに、

衛生的に使えるメリットを検討することになるでしょう。

下水未整備地域なら浄化槽を検討

下水道が未整備な地域の場合、水洗化したい場合には浄化槽も選択肢に上がります。

2020年度末時点での下水道普及率は約80%

およそ、5人に1人は下水なしで生活している計算。

浄化槽は、下水道がない場合などに、

ボロ戸建ての敷地内に浄化槽を埋めて、そこに汚物を流し込むシステム。

浄化槽に流し込まれた汚物は、微生物によって浄化されます。

浄化槽の場合は、槽内の微生物に空気を送り込むブロアーに電気が必要。

加えて、法令で定められた定期点検の実施などのコストがかかります。

浄化槽の設置そのものも、地面を掘り起こして浄化槽を埋設する必要があるため、

100万円を超える工事費がかかる場合もあります。

浄化槽設置にかかるコストと、

水洗化による衛生向上のメリットなどを比較して検討することになるのです。

下水ありなら下水接続が無難

最後に、ボロ戸建ての前面道路まで下水管が来ている場合、

下水接続による水洗化を検討することになります。

下水接続には、当然工事費がかかりますが、

浄化槽と比べると法定の定期点検のようなコストはありませんし、

簡易水洗やぼっとんトイレで発生する、業者への汲み取り依頼の手間もありません。

下水接続するためには、物件所在地の市町村の指定業者に依頼する必要があります。

工事に費用がかかりますが、一度下水接続してしまえば、

維持する手間は少なく、衛生的にトイレを使用できます。

なお、工事にかかる費用は、前面道路の下水管からトイレまでの距離や、

ボロ物件の外構によって変わってきます。

例えば、ボロ家の敷地がコンクリートで舗装されている場合、

コンクリをはつって(破壊、土を掘り起こして)下水管を埋設することになるのです。

埋設する下水管の距離に応じて工事費用も変動するため、

一概に水洗化するといくらになると言うことはできません。

ボロい家を買う場合、トイレはどうなっているか、

水洗化する場合はいくらになるかを考えながら、物件を選ぶようにしましょう。