ボロ戸建て投資基礎知識

【ボロ戸建てにかかる費用】ボロ物件を買うと土地と建物に毎年かかるのが固定資産税

ボロ戸建てを購入すると、毎年支払うことになる経費が固定資産税。

1月1日時点で、土地や家屋を所有している人が、市区町村に対して支払う税金のこと。

ボロ戸建て購入時の必要経費、登録免許税や不動産取得税にも影響する固定資産税。

ボロ戸建て賃貸投資を始める前に、固定資産税について知識を入れておきましょう。

ボロ物件の土地と建物両方にかかる税金

ボロ戸建てを取得すると、土地と建物の両方に対して固定資産税が課税されます。

固定資産税を課税するためのベースとなる数値が、固定資産の評価額。

土地と建物それぞれについて、総務省が示した評価基準に基づいて市区町村が計算します。

土地については、宅地や山林、原野など、地目に応じて面積あたりの単価が変わります。

ボロ戸建てが立っている土地は、基本的に地目は宅地。

固定資産税の計算上、建物のことを「家屋」と呼びます。

家屋が新築されると、市区町村の資産税担当者が建物の内部を調査し、

どのような部材や建築資材を使って建てられているかをチェックします。

調査の結果を経て、家屋の再建築費(あたらしく同等の家を新築する際にかかる費用)を算定、

そして、経年劣化する割合に応じて、評価額は下がっていくようになっているのです。

毎年1月1日時点のボロ戸建ての状況で課税

固定資産税は、毎年1月1日時点の資産の状況に応じて課税されます。

1月1日にボロ戸建てが建っていれば、家屋として課税され、

12月31日に解体、更地の状態にしていれば、翌年分の家屋の固定資産税は課税されません。

ボロ戸建てについての固定資産税は、1月1日時点の所有者に課税されます。

年の途中でボロ戸建てを取得する場合、固定資産税を売主と按分することに。

ボロ戸建て売買の際、固定資産税清算金として、1年分の固定資産税を日割り計算して支払います。

この清算金は、あくまで売主と買主の間のやりとりになるため、

1月1日時点の所有者である、ボロ戸建ての売主と交渉し、固定資産税を1年分売主に払ってもらうよう交渉も可能。

ボロ戸建てを購入して、登記を完了させれば、翌年1月1日時点での所有者となる買主に、

市区町村から固定資産税の納税通知書が届けられることになります。

固定資産税の評価額はボロ戸建て諸費用に影響

固定資産税の評価額は、ボロ戸建て売買のさまざまな経費に影響します。

ボロ戸建てを購入し、登記を完了すると、数ヶ月後に都道府県税事務所から、不動産取得税の納税通知書が。

新たに不動産を取得した者にかかる税金ですが、この不動産取得税の計算にも評価額を使います。

不動産取得税の税率は4%ですので、

単純に計算すると、

評価額100万円のボロ戸建てと、評価額200万円の土地を購入すると、

家屋100万円+土地200万円=300万円

300万円×4%=12万円

ということで、ざっくり12万円の不動産取得税を納付することになります。

忘れたころにやってくる税金なので、納税資金の準備が必要です。

不動産取得税の他にも、所有権移転登記のために支払う登録免許税の算定にも評価額を使用。

ボロ戸建ての購入にあたり、司法書士の見積もりをとると、

登録免許税が記載されますが、この費用も固定資産税の評価額がベースとなるのです。

ボロ戸建ては固定資産税が安いのが特徴

ボロ戸建ては、全般的に固定資産税が安いのが特徴。

家屋の評価額は、木造や鉄骨造、RC造など、どのような構造で作られているかによって単価が異なります。

木造の場合は、鉄骨造やRC造の家屋に比べて、税法上の価値の目減りのスピードが早い。

それと同様、評価額も年々少しずつ下がっていくので、地方なら築40〜50年のボロ戸建てでは、

土地と家屋をあわせても、固定資産税が年額3万円程度となることもザラにあります。

このランニングコストの低さは、アパートやマンションと比べた際に、

ボロ戸建て投資のメリットということができるでしょう。

ボロ戸建て土地の一部は軽減を受けられる

ボロ戸建てが建っている宅地の一部は、固定資産税の軽減を受けています。

家屋が建つ土地の、200平米以下の面積部分について、固定資産の評価額が6分の1に軽減されているのです。

持ち家を普及するための政策として設けられているこの制度。

固定資産税にまつわるトラブルとして、ボロ屋を解体して更地にしたら固定資産税が上がった、というものがあります。

家屋が建つ土地に適用されていた、小規模宅地等の特例が適用外になったことによるもの。

ボロ戸建て投資では、出口戦略の話になることがよくあります。

ボロ戸建てを投資物件として売却する戦略なら気にする必要はありませんが、

建物朽ち果てるまでボロ戸建てを所有し続ける作戦ならば、解体した際に土地の固定資産税が上がることは覚えておきましょう。