築古の戸建てをリフォームして貸し出す、ボロ戸建て賃貸投資。
不動産投資の一種のボロ戸建て投資において、かけたお金に対する収益性の高さは利回りで表されます。
購入する築古戸建てが、どのくらい効率的にお金を稼いでくれそうかを利回りでチェックし、物件購入の判断材料に。
表面利回りと実質利回りについて理解し、築古戸建て購入における高利回りのメリットとリスクをリスクを確認しましょう。
Contents
表面利回りと実質利回り
不動産投資の記事を読むと、頻繁に目にする利回りという単語。
株式や投資信託や不動産など、投資全般で使われる用語です。
不動産投資において使われる「利回り」という用語には、表面利回りと実質利回りの2種類があります。
特に断りがない場合、簡易に計算できる表面利回りが使われることが多いですが、
文脈から判断して実質利回りである場合もあります。
単純に「利回り」とだけ表記されている場合には、表面か実質、どちらなのか注意しながら読みましょう。
簡易に計算できる表面利回り
簡易に計算でき、不動産投資でよく使われるのが表面利回り。
(年間家賃)÷(物件購入価格)×100=(表面利回り)
で求めます。
購入金額100万円のボロ戸建てで、賃貸の月間家賃が1万円とすると年間家賃は、
1万円×12ヶ月=12万円
表面利回リは、
12万円÷100万円×100=12%
仮に月額家賃が2万円になると、年間家賃は24万円となり、表面利回りは、
24万円÷100万円×100=24%
となります。
より投資の実態を反映する実態利回り
不動産投資において、
より投資の実態を反映させたのが実質利回り。
年間家賃と購入金額だけで表される表面利回りと比べて、経費などを反映させます。
ボロ戸建て投資においては、築古戸建てを貸し出すために、1年間にかかった諸経費や購入時の経費などを込みで計算することに。
下記の計算式で求めます。
(年間家賃−年間の諸経費)÷(物件購入金額+物件購入経費)×100=(実質利回り)
表面利回りと比べて項目が多くなりますが、その分実態をより正確に反映できます。
先程の表面利回りの例で考えてみましょう。
月額家賃1万円の築古戸建て、年間の諸経費として固定資産税が3万円、火災保険料が年間5万と仮定。
物件価格は100万円でしたが、不動産取得税が10万円で登記費用が10万円、リフォームに30万円をかけたとします。
そうすると、実質利回りは下記のように。
(※下記の計算式は簡略化してますので、この他にも様々な経費がかかる場合があります)
家賃12万円−固定資産税3万円−火災保険料5万円=4万円
物件価格100万円+不動産取得税10万円+登記費用10万円+リフォーム30万円=150万円
4万円÷150万円×100=2.6%
このように、経費を加味しなければ12%に見えた表面利回りが、
経費を加味すると実質利回りが2.6%に低下することになり、投資すべき案件かどうかより正確に検討できるのです。
利回りで投資資金の回収期間がわかる
築古のボロ戸建て賃貸をする場合、利回りを見れば投資資金の回収にかかる期間がわかります。
ボロ戸建ての購入金額を、1年間の家賃収入で割っているため、例えば、
物件価格が100万円の場合、
年間家賃10万円なら、表面利回り10%なので、物件購入金額の10分の1を1年で回収→全額回収に10年かかる
年間家賃20万円なら、表面利回り20%なので、物件購入金額の5分の1を1年で回収→全額回収に5年かかる
年間家賃50万円なら、表面利回り50%なので、物件購入金額の2分の1を1年で回収→全額回収に2年かかる
ということになります。
購入予定のボロ戸建ての利回りを計算することにより、
どのくらいの期間でかけたお金を回収できるか計算でき、投資の効率性の検討が可能になるのです。
築古戸建ては建物価格が低いので高利回り
築古戸建てが高利回りになりやすいのは、建物価格が低い場合が多いためです。
建物価格が安いボロ戸建てを購入すれば、利回りの分母が小さくなるため、
築古物件に投資したお金の回収期間が短くなり、利回りが上がることに。
なお、ボロ戸建てなどの不動産は、購入した金額を1年間で全額経費にはできません。
各種税法などのルールに則って、決められた期間で少しずつ経費として計算されます。
これを減価償却(げんかしょうきゃく)といいます。
建築から30年から50年以上経過した築古のボロ戸建ては、建物の計算上の価値が低くなります。
新築の木造家屋の場合は、法定耐用年数の22年をかけて減価償却。
減価償却については細かいルールがあるため、別途記事にしますが、
償却が終わったボロ戸建ては、建物としての価値(固定資産の計算上、評価額と呼ばれる)がほぼないため、
実際に売買される場合も安くなることが多くなります。
ボロ戸建ての高利回りはリスクの裏返し
ボロ戸建ての高い利回りは、リスクの裏返しでもあることを理解しておきましょう。
減価償却の法定耐用年数を過ぎていても、実際に築古物件を利用することは可能です。
しかし、ボロ戸建て投資において、利回りを重視して、最低限のセルフリフォームで貸し出す場合、
年月が経過するにつれて設備が老朽化して修繕が必要になってきます。
修繕やリフォームについての、必要経費を積み立てておかなければ、思わぬ出費に対応できないことになりかねません。
また、田舎の地方にあるボロ戸建てを安く購入する場合、もし物件を売却しなければならない事情が発生した際に、
買い手が見つかりにくい、というリスクも覚えておきたいところ。
不動産投資において、高利回りが見込める築古のボロ戸建て投資は、
リスクがやや高めの投資であること認識した上で取り組むべきでしょう。