ボロ戸建て投資を始めるには、知識武装する必要があります。
生き馬の目を抜く不動産市場で、海千山千の不動産業者にカモられないため、10冊20冊、100冊200冊と書籍を読んでいくことに。
ボロ戸建てのみに限定せず、不動産投資に関する様々な本を読んでいる、わたくし一休。
今回は、大川護郎氏の「新聞少年が一代で4903世帯の大家になった秘密の話」をご紹介します。
Contents
「姫路のトランプ」の不動産への姿勢が知れる
著者の大川護郎氏は、新聞販売店の勤め人から不動産賃貸業を興し、一代で4903世帯の大家になった、立志伝中の人物。
出身地の姫路や大阪で不動産賃貸業を営み、「姫路のトランプ」と称される人物です。
本書は、大川氏の不動産投資に関する姿勢や、初心者に向けて意識的に書かれたと思われる教訓がわかりやすく記されているのが特徴。
大川氏自身、本書序盤で書いているように、
よくある著名な不動産投資家の自叙伝的な本にならないように、意識的にコンパクトに書かれた様子が伺え、スルスルと読み進められる。
そのため、新聞少年であった著者が、「姫路のトランプ」と呼ばれるまでに成功した様子は、本書第5章にコンパクトに知るされています。
以下、一休の印象に残った箇所をご紹介。
フルローン・オーバーローンも問題なし
P19にて、不動産投資において敬遠されることが多い、フルローン・オーバーローンについての考え方が述べられている。
大川氏は、家賃下落リスクなど想定されるリスクに耐えることができ、賃貸業が回るのであれば、フルローン・オーバーローンは問題ないと考えている、とのこと。
ローンについては、不動産投資家ごとに意見が分かれるところ。
ボロ戸建て投資家が書いた本を読むと、タネ銭となるお金を貯金で用意して、現金でボロ戸建てを買うことをすすめる人が多い印象。
一休個人としては、ボロ戸建ての取得や業者に外注するリフォーム費用を、
一休個人の与信(融資の枠)を使って確保できるなら、それでいいんじゃないか、と思っているところ。
もちろん、入居付けの営業活動を必死に頑張る前提ですが、
銀行への返済やら、来たるべきボロ戸建ての修繕への積立やらを差し引いて、キャッシュフローが残るならそれでいいじゃん、と思っています。
一休の素人考えながら、それに近い考えの不動産投資家(大川氏)がいたのは、なんとなく心強い気がしました。
キャピタルゲイン狙いの不動産投資はしない
p30では、よくやってしまう売却における失敗として、値上がりした物件を売却することを上げています。
これは、大川氏の不動産投資へのスタンスを如実に表している点。
大川氏は、一度購入した物件は、値上がりしても売却しない、と明言しています。
理由は、値上がりした物件を売却してキャッシュを得ても、また同様のよい物件を手元に残った現金で買える保証はないから、だそうです。
よい物件を手に入れられるか分からないので、一度購入した物件は手放さずに持ち続ける。
宅建免許を持っているような不動産業者が書いた本には、
不動産投資には出口が重要、ということで売却を常に意識したものが多い。
そんな中、大川氏の投資姿勢は、物件を増やしていく拡大のために必要と考えられる、物件保持の大切さが伺い知れる。
ボロ戸建て投資を実行し、所有物件を増やしていこうとする一休にも参考になる考え方。
ペット可物件にして稼働を上げる
p143にて、物件の稼働を上げる大切さを強調しています。
大川氏は、物件を取得してボロいまま物件を安価で賃貸に出すこともあるそうです。
2から3万円の安価で、ご自身でリフォームしてくださいというケースもあること。
また、ペット可物件として、入居者の範囲を限定せずに幅広い層を受けれいることをすすめています。
犬や猫などのペットを飼う入居者を敬遠する大家も多い中、大川氏は
ペット1匹3000円、猫1匹5000円をいただくようにしている、とのこと。
秋田市にてボロ戸建てを購入し、それをペット可能物件として貸し出そうとしている一休には、興味深い記述でした。
余談ですが、秋田市の不動産業者にヒヤリングすると、ペット可能な戸建ては少ないとのこと。
このニッチを狙おうと画策しているのです。
期限を守り誠実に〜不動産の王道のすすめ
終盤のp186では、不動産投資への取り組む姿勢について書かれています。
「夢は大きく、やることはコツコツと」
「約束したことは守る、誠実である・・・裏技ではない王道のやり方をすることをオススメします」
とのこと。
4903世帯のオーナーになるためには、1つ1つの積み重ねが必要なのは言うまでもありません。
「姫路のトランプ」とまで呼ばれる大川氏がここまで謙虚に積み上げているのだから、
ボロ戸建て1棟めを取得すべくハッスルしているわたくし一休も、より一層精進せねばなりません。
大川氏の不動産投資における教訓と、事業経営におけるマインドを学べる良著でしたので、ここにご紹介します。